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バンタナK55 ホビー
ホビーはドイツの名門ビルダーで、年間10,000台以上のキャラバン(トラベルトレーラー)とモーターホームを生産する大手ビルダーでもある。
日本では古くからトラベルトレーラーが輸入されていた関係で、トレーラーのビルダーとして有名。
しかし、近年、オプティマなど自走式のモーターホームの輸入も始まり、モーターキャラバンのビルダーとしても認識されつつある。
そして、今回紹介するのは、キャンパーバンと言われるカテゴリーのバンタナで、日本ではバンコン(バンコンバージョン)に分類される。
バンコンと言ってしまうと、ハイエースなどのボディをそのまま使ったキャンピングカーをイメージするが、欧州から輸入されているバンコンは、大きさも装備も、そして価格も、日本のキャブコンに近いか、あるいはそれ以上である。
もちろんキャブコンではないので、後部はシェルではなく、フィアットデュカトバンのオリジナルのボディをそのまま使用している。
ただ、ベース車自体が大きいので室内空間は十分あり、装備も充実したものとなる。
さて、バンタナK55を見てみよう。
バンタナシリーズには、レイアウトと車長の違いで計5モデルが存在する。
これは本国と同じで、全てのレイアウトから選択できる。
ただ最も短い車長のK55でも5413mmと、ほぼハイエーススーパーロングと同じで、軽く5mを超える。
また車幅は全車2050mmでこれもハイエースワイド幅の1880mmよりも17Cmほど広い。
しかし、室内高は1894mmで、ほとんどの日本人なら頭が天井に触れないだろう。
ハイエーススーパーハイルーフでも室内高は1850mmなので、これよりも更に高い天井ということだ。
ベース車はデュカト3.0Lディーゼルが標準装備だが、本国では標準仕様は2.2Lで、3.0Lはオプションになっている。
また右ハンドルはオプションで選択できる。
乗車定員は4名だが、就寝定員は2名、ダイネットベッドを展開するエキストラベッドで1名就寝できるが、基本的にふたり旅仕様と考えたほうがよい。
レイアウトは、欧州車の一般的なレイアウトに準じており、フロントにダイネット、後部にベッドルーム、その間にキッチンとサニタリールームが配置される。
フロントシートが反転して後ろ向きになり、ダイネットシートとして使えるのも、他と変わらない。
5種類のレイアウトが用意されているが、基本形は同じで、車長の長いボディになるにしたがって、サニタリールームやベッドに余裕が出てくる。
ただし、K65だけは縦置きツインベッド仕様となっている。
K55と他の3モデルは、横置きハイマウントダブルベッドを採用している。
ベッドサイズは1850x1350mm(足元は1150mm)で、ほぼ家庭用ダブルベッドと同じサイズである。
また、一般的に輸入車で特筆できるのがベッドマット。
かなり厚めのマットレスが採用されており、寝心地は格段に良い。
キッチンは二口コンロとシンクが一体になったコンビネーションシンク。
これはK55の場合で、車長の長いクラスになるとセパレートタイプがビルトインされる。
冷蔵庫は50リッターが標準装備だが、これも上級クラスになると80リッターになる。
ただ、電子レンジはオプション設定が無く、要相談だろう。
サニタリールームはカセットトイレと温水シャワーが標準装備。
これも欧州車らしいセンスの良いインテリアである。
K60TとK65 Tを除き、他の3モデルは通路をシャワールームの一部として使う。
スペースの有効利用としては良いアイデアだが、トイレやシャワー使用中はベッドとダイネットの行き来ができないのと、トイレの度にスライドドアを操作するのはちょっと面倒ではある。
給排水タンクは各90リッターで、二人分のシャワーなら十分すぎるほどの容量である。
ただ、ガスで沸かした10リッターの高温の湯と混合して使用するので、たっぷり使う場合は、2度に分けて湯を沸かす必要がある。
収納は、ベッド下の収納庫が大きく、大型の荷物も積み込むことができる。
ただし、さすがに自転車は小型のものでないと難しいだろう。
通常の自転車に対しては、オプションのキャリーが用意されている。
その他小ぶりながらワードローブもあるし、オーバーヘッド収納はベッドルーム、キッチン上、ダイネット上に設けられている。
電装系は、サブバッテリー、走行充電、外部100V入力が標準装備されているが、サブバッテリーは92Ahが1個と、かなり心もとない。
外部電源が普通に入手できる欧州と違って、日本ではまだまだ外部100V電源設備が少ないので、このクラスのモーターホームなら少なくとも100Ahが2個は必要だろう。
最初からリチウムバッテリーに変更しても良いかもしれない。
また、車内で100Vの電気製品を使うためにはインバーターも必要となるが、これもオプション設定に無い。
バッテリーで電子レンジを使う場合は1500Wレベルのインバーターが必要になる。
電装系に関しては、どのような家電品を使いたいのか明確にして、最初にサブバッテリーやインバーターを搭載するのが良いだろう。
バンタナは、ホビー定評のハイセンスなインテリアを持ち、国産モデルとは違ったテイストを望むユーザーに人気となろう。
サイズも、確かにコンパクトではないが、比較的国内でも扱いやすい輸入モデルである。
ただ、モーターホームの利用環境が異なる日本で使うためには、先に書いた電装系の他、ガスについても出先での充填が困難な場合もあるので、よく知っておく必要がある。
更に、エアコンはルーフエアコンがオプションで設定されているが、これも外部電源が条件となる。
発電機があれば動作できるが、使用条件は限られる。
輸入モーターホームを購入する場合はいろいろ知っておくべきことがあるが、しかし、国内でも比較的乗りやすいモデルが増えてきたことはうれしい傾向である。
ビルダー | ホビー |
車名 | バンタナK55 |
ルーフ架装 | ‐ |
ナンバー区分 | 8 |
乗車人数 | 4 |
就寝人数 | 3 |
ベース車 | デュカト |
サブバッテリー | ○(95Ah) |
バッテリー増設 | ‐ |
走行充電システム | ○ |
外部100V入力/充電 | ○ |
インバーター | ‐ |
大容量インバーター | ‐ |
ルーフベンチレーター | ○(自然換気サンルーフ) |
サンルーフ | ○ |
コンロ | ○(2口) |
シンク | ○ |
給水タンク | ○(90L) |
排水タンク | ○(90L) |
冷蔵庫 | ○(50L) |
電子レンジ | ‐ |
サニタリールーム | ○ |
ポータブルトイレ | ‐ |
カセットトイレ | ○ |
カーテン/ブラインド | ○ |
FFヒーター | ○ |
ルームエアコン | OP(ルーフエアコン) |
シャワー設備 | ○ |
温水装置 | ○ |
発電機 | ‐ |
ウインドウ架装 | ○ |
アクリルウインドウ | ○ |
サイドオーニング | ‐ |
ソーラーシステム | ‐ |
全長(mm) | 5413 |
全幅(mm) | 2050 |
全高(mm) | 2642 |
価格(万円) | 798万円〜(2WD/AT) |
2016年5月現在 (○は標準装備/OPはオプション)
価格は千円台切り上げ(税別)
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